7.13「心理vs教育の苦悩」開催いたしました。

 

 

心理と教育の苦悩~第1部~

教育機会確保法の制定により、社会な多様な学びを応援するように移り変わりつつある現在、多様な学びを提供するために公民連携が重要となってくると考えられています。5月25日シンポジウム「不登校支援一人ひとりのキャリアデザインを考える」から、『連携』という視点からもディスカッションいたしました。

この『連携』の1つの例として、教師、カウンセラーという2つの立場から、今回、お話いたしました。共に子どもの成長をサポートするもの同士…それぞれの立場の違いによって様々な葛藤があります。「気持ちを受け入れる側のカウンセラー」と「指導をする側の教師」の視点から、「心理と教育の苦悩」というタイトルです。

学校現場でもカウンセラーとして勤務の経験もある増田さんと心理学出身・教員経験がある当法人 津久井で、対談形式にて講演いたしました。

 

1.教員の葛藤

➀とある教員に向けて発信された問いより…
「学校の教員はなんで「不登校」の子たちに「君はこの学校は向いてないかもしれない。他の場所の方がいいかも」と言ってあげることが難しいのですか??」

この問いについて、一部の教員からですが、意見を聞きしました。
・「不登校の問題解決は、今の学校に来るようになることだと思っている。」
・「安易にそうは言えない。」
・「不登校になっている原因は、学校側に改善の余地がある場合もあるとも思う。」
・「もちろん、転校なども視野に入れて指導していく。ただ、言葉を慎重に選びながら進路変更を進める必要がある。」
等々の返答。

この「問い」と「意見」より
日々、学校教育に奮闘しており、本当に本人の成長を望んでいる教員には、やはり「葛藤」があるのだと思います。
先生にとっても、転校や編入をする方が生徒の成長にとって良いと思うことはあるので、自分の力不足を感じるようで葛藤はあります。

➁カウンセリングを受けている生徒の思いとの葛藤
学校でカウンセリングを受けた生徒が、「そんなにいやな授業があるのね…。」と共感してもらったようだ。この言葉を、「そんなにいやならやらなくていい」と解釈してしまう生徒がいました。教員側は、もちろん課題の難易度を下げたり、欠席分は課題を提出させることで対応したりすることもありました。気持ちに配慮しての対応だとも捉えることはできる。学校生活や授業に対する評価をしなければならない立場の教員は、思いに共感したとしても、授業に出なくてよいとは言えないものである。カウンセラーは、生徒に対してイヤだという気持ちに対して、共感を示してくれただけなのだが、生徒を介しての対応は、拡大解釈を懸念は必要なのだろう。カウンセラーと教員の立場で、言っていることが違うと思われてしまうことも教員モヤモヤでもある。

 

 

2.スクールカウンセラーの葛藤

・そもそもスクールカウンセラーの存在が、教員に認知されていない。
・スクールカウンセラーの役割が認知されていない。
・カウンセリングなら教員でもできる、という意見もあった。
・どうしても受容できないケースは、理解に努める
等々…

そもそも➀
「カウンセリング」ってなに?
悩みのもとになっている自己の変化を促し、主体性を取り戻す作業を共に行う場所。人間的成長・変化には痛みを伴うので常に励ましながら行うことである。と、増田さんからお話がありました。

そもそも➁
スクールカウンセラー派遣のはじまり
「評価しない大人の存在」の必要性。教員と異なる立場からサポートをするためです。

教員が、スクールカウンセラーを活用するためには、役割を明確にして、お互いの立場からのサポートの方法を理解する必要があるのだと思います。

 

 

3.教員とカウンセラーの苦悩

 

子どもの成長を支援するという共通の目標をもつ、教員とカウンセラーは、学校でどうすればいいのだろうか??

カウンセラー増田さんのスライド(一部抜粋)より

 

~増田さん・津久井の見解~

父性的な部分と母性的な部分の役割分担が、生徒の成長とっては必要なのだと思います。学校では、教員、カウンセラーに関わらず、この両側面から生徒の成長をサポートを行えているとも思います。

ただ、この役割分担を意識することにとても意義があるとことだと私たちは考えます。

仮に、カウンセリングができる教員がいたとしても教員の立場のとしては、あえてやらない。やりたいからこそ、カウンセラーに任せる。役割を分担することで、生徒の「学びの支援」と「気持ちの受容」をバランスよくサポートできるのではないかと思います。

このように、役割の分担には、連携が不可欠。
(簡単に連携とはいえるが、どうすればいいのか・・・。)

今回キーになった言葉は、「情報の共有」です。

情報共有→それぞれの立場でサポート→情報共有、くり返しなんだろうと思います。(この過程が信頼関係を築くことにもつながる。)多忙な学校現場で、ケース会議は担任の教員にかなりの負担をしいること場合もあるので、情報を伝え合って、役割分担を明確にするだけでも効果はあるのかもしれません。

 

 

心理と教育の苦悩~第2部~

実際にさまざまな悩みを持つ経験をしてきた方々からの実体験に基づく「葛藤」を、アットホームに座談会のような形で、参加者全員でお話をしていきました。第1部に、引き続き異なる立場のサポートの在り方を模索していきました。

 

1.登壇者のお二人より

質問(1)簡単な自己紹介と学生時代のモヤモヤな体験をお話いただけたらと思います。

○下田さん(認定NPO法人育て上げネット)
・学生時代、学校の受験体制に対して葛藤があった・・・。
・先生の熱い感じが苦手だった。
(※下田さんの詳しい体験談は、コチラ

○Nくん(H大学)
・全日制高校に在籍していたが、通信制高校へ高校を変更した。
・学校が受験勉強に対してとても熱心で、勉強のノルマなどがあった。
・自分が受験体制の中、学習をしていくことで、自分の個性が失われていく感じがした。
・先生の「○○すべき」の「べき指向」がとても強く感じていた。
・自分の人生や学生生活の中で、自分で学習の内容や方法を選択することは、人として行って良いと思った。
・たまたま出会った先生に、圧力を感じていたからそれがなかったら、もしかして転校という選択はしなかったかもしれない。

質問(2)このような、葛藤を抱えながら学校生活を送っていたお二方ですが…カウンセリングを受けたりしなかった?
・下田さん、Nくん共に、カウンセリングは特に受けなかった。

質問(3)カウンセリングを受けなかったのは、なぜ?
・カウンセラーがそもそもいなかった。
・自分は、そこまでではないと思った。
・風通しの良いカウンセリングルームの存在(行きたくなったらふらっと行く。)などであれば行ったかもしれない。

学校によってカウンセラーの派遣もバラつきがあり、学校生活でのモヤモヤや葛藤、悩みなどのつらさがあっても環境上学校の先生に頼らざるをえない場合もあるのでしょう。また、カウンセラーが配置されていても、役割が何なのかよくわからなかったり、カウンセリングルームに入りにくかったり、活用にいたらない場合もあるのでしょう。

 

2.会場の方々より(学校やサポート側の立場や自身のモヤモヤ体験など)

○埼玉県定時制高校にて、勤務しているK先生より
・カウンセラーが全員と面談をはじめた。(在籍生徒の人数が、少ないから実施できているのはある。)
・カウンセラーの派遣が、学校や担当の先生によって左右されたりする事例もあると聞いた。

 

3.不登校支援NPO法人の方より

(カウンセラー、教員ではない、自立支援業務第3の立場である下田さんへ質問)
「外部の機関が来校したときの高校生の反応は?また、面談ではどんなことを話してる?」
埼玉県が高校生を対象の自立支援事業の面談等の関りから
・最初は、「だれ?」みたいな反応はある。
・時間の経過とともに信頼されてくる。
・進路の話からきっかけをつかんだりして、生徒が自分の状況を話してくれたりする。
・内容によって、カウンセラーや先生に報告して情報共有を行っている。
・連携する上で、学校との調整はやはり大変。

 

4.キャリアカウンセラーのS先生より(高校で進路相談を中心とした面談を行っている。)

・必要に応じて、先生に報告をするなど、心理的な状況や家庭の状況について積極的に連携を図っている。
・高校以外でも、専門学校でキャリアについて講義や面談を行っているが、様々な背景を抱えている生徒に対してより理解を深めるため、心理系の資格も取得もした。

 

 

心理と教育の苦悩~まとめ

教員とカウンセラーの2つの視点の葛藤から、生徒の成長を支援する立場の側は、お互いの役割を理解し、情報共有(ケース会議までいかなくても立ち話程度に個々の状況などポイントを伝えるだけでも効果があるのではないか。)が大切なのでしょう。生徒に対してはもちろんのことですが、教員とカウンセラー、他のサポート機関、相互の信頼関係を築くのは、共にサポートする時間の経過や対話も必要なのでしょう。

また、大人側の意識も大事だが、生徒が自分の必要性に合わせて主体的に、様々なサービスを利用していってもいいと思います。そのためには、生徒がそれぞれのサービスの理解や役割に応じて適切に利用するための教育は必要なことだとも思います。コーディネートする大人がいると良いのかもしれませんね・・・。

 

※ここでの内容は、あくまでも一部の体験談からの内容ですので、絶対的なものでもないのでご了承ください。読まれた方の参考やモヤモヤの共感につながっていただけたら幸いです。

 

【NPO法人春日部育英キャリアサポート】は、多様な学び方を応援してます!
定時制・通信制高校、フリースクールなど、高校進学の相談を随時受付中(無料)です。
お気軽にご利用下さい!
お問い合せから相談
LINEから相談
◇メールからの相談→info@kasukabe-ics.com より